問題意識力(当事者意識力)をつけるには


1.あらゆる事象に疑問を持つこと

まず、最初に挙げたい点はあらゆる事象に疑問を持つことです。世の中に起っている事件はインターネットやテレビ、新聞、雑誌など、様々なメディアで知ることが出来ます。情報は湯水のように溢れており、私たちはそうしたニュースを日々、眼にし、耳にしているわけです。これが日常生活の中で問題意識を研ぎ澄ませて行く訓練として非常に良い材料となります。

1つの例を挙げましょう。かつて、アメリカ最大手企業リーマンブラザーズが破綻してからアメリカ経済が落ち込むのみならず、日本をも巻き込み、100年に一度という経済不況となりました。問題意識のない人は「そうか、大変なことになったな」で終わってしまいますが、それではいつまで経っても問題意識感覚を磨くことはできません。起きた事象に疑問を持ってもらいたいのです。例えば、リーマンは何をやっていた会社なのか、なぜリーマンは破綻したのか、どうして1企業の破綻がアメリカ全土にまで波及したのか、アメリカ経済破綻がなぜ世界経済に影響を及ぼすのか、どうして日本が煽りを食らうのか、日本のどの分野の何に影響が出るのか、日本経済を更に悪化させた要因は何なのか等々、疑問を持つという視点に立脚すればわからないことは後から後から出てくるはずです。大事なことは、わからないことをはっきりさせることであり、疑問を抱くことであなたの問題意識感覚は格段に研ぎ澄まされて行くことを知ってください。毎日、報道されている事象に「なぜ?」という疑問符をつけること、そして納得の行くまで調べて見ること、現代はインターネットでキーワード検索すれば山のような回答が得られますので後は実行するかどうかの行動力にかかっています。

2.カラクリを探る目を持つこと

次に行って頂きたいことは事象の裏側を探る目を持つということです。

角度は3つあります。1つはなぜ今、問題になっているのか、時・タイミングがあります。例えば政治の世界で、ある人物が大臣などの要職についた瞬間、献金疑惑が出ることがよくありますがこれなど、まさに時を得た情報発信と言えましょう。

2つ目はメディアの意図を知ることです。報道メディアは無論、正確な情報提供が基本ですがやはり、その時々の色というファクターが付加されます。業界と結託して潰しにかかるために敢えてダーティーなイメージで報道することも多々あります。ですからメディアの意図を探る目を持つことが大事です。

3つ目は報道された業界の常識、非常識の境界を知るということです。スポーツ界、政界、芸能界、経済界など、その業界が持つ独特の世界観を知ってください。各産業構造は素人には理解できにくい世界ですが裏を知るヒントがそこに隠されています。

つまり、1つの事象から何を掴み、何を考えたのかというプロセスがあなたの問題意識を高める訓練になるのです。こうした思考トレーニングを、社会的出来事という題材を通して行うことで今度はあなた自身の仕事で発揮されるようになります。営業戦略をどう組んで行ったらよいのか、ターゲットは間違っていないか、新規事業は何が良いのか、業務改善は何がキーワードなのか等々、「事象への疑問」「裏を探る」習慣づけがあなたを考える人間へと大飛躍させてくれるのです。是非、実践してみてください。

3.発展させて考えること

次に前出した1・2をベースに今度はあなたの創造力を大きく膨らませて想定して見てください。まったく的外れでも構いません。「風が吹けば桶屋が儲かる」ということわざがありますがこれは風が吹くというキーワードからいくつかのプロセスを経て桶屋が儲かってしまうというものです。AはBになると・・・Bはどう変化し・・・・どのようにCに繋がり、Cへの影響により結果的にDがはやるという発想力であり、論理力、創造力を磨いて行くには格好の手法です。儲かっている会社や世の中に出現した新ビジネスと言うのは常にこの発想に立ち、誰もが予想し得なかった先見の明、先読みの勝利の結果なのです。

ここである大手IT企業A社の入社試験問題を取り上げてみましょう。

1.「ロングヘアーがはやると 2.なり 3.

となり、4.吉野家の牛丼が100円になる」という問題です。さあ、あなたも発想力を逞しくして2と3を埋めてみてください。

いかがですか? 論理的におかしくないステップ論法は完成できたでしょうか? A社がこのような問題を入社試験問題に選んだことにも問題意識力の大切さが伺えます。

社会的事象は得てしてビジネスチャンスを生むものですが、ただ何となく見ていては何も生まれません。どうして?なぜ?何が?・・・と思考をフル回転して行く中に初めて見えてくることを忘れないでください。

4.問題意識高揚プロセス

では問題意識を高揚させるためのプロセスを7つに整理してみましょう。

①     事象の事実関係を把握すること~報道されている内容から評論家の推理や感想などを省いた事実のみを抽出します。まずは事実を確認しましょう。

②     問題の本質を探ること~事件、事象の本質的な問題は何か、核になる部分はどこかを探って行きます。

③     裏に隠されているものを推理~伝えられていない隠された真実はないか、あるとしたなら何なのかをあなた自身で推理しましょう。

④     メディア・報道機関の色を知る~報道には報道側の色があり、意図があります。どうしてそのような報道の仕方が行われるのかをしっかりと見極めてください。

⑤     事件を機にその業界はどうなるのかを探る~建設に関わる事件であれば必ず建築業界に影響を及ぼします。以前、耐震補強を偽って建築していた会社の事件がありました。これなどはその後、建築基準が変わり業界に大きな打撃を与えました。

⑥     事件に関わる業界以外の産業に影響はないかを探ります~事件の影響はその業界のみならず他の産業への変化を及ぼします。どのような変化が起きるのか、あなたの業界への波及効果を予測して行きます。

⑦     自社に活かせる道はないかを探る~自社の産業への影響や変化を考え、自社に活かせる道を模索します。

さあ、いかがですか? あなたの仕事に全く関係ないと思った事件であっても7つのステップを踏むことでビジネスチャンスを生むことができます。

5.問題意識高揚術の別な視点

今まで述べてきた方法は世の中に起きた事件から問題意識をトレーニングする方法でしたが今度は別な角度から問題意識を高揚させる術を2つご紹介しましょう。

①     現状に満足しない発想を持つこと

現在、あなたが勤める職場には特に何の問題もなく回っているとします。しかし、本当に問題なく、改善すべき点がないかどうかを探ります。まず、否定的発想に立つことが大事で、現行業務手法において決して満足してせず、上手く回っているルーチンワークに今一度、疑問を投げかけて見てください。改めて業務を棚卸し、1つ1つにチェックを掛けると必ず改善すべき点が出てくるはずです。なぜ、残業が多いのか、なぜ、取引先が増えないのか、なぜ、社員のスキルが上がらないのか等々、いくらでも出てくるはずです。是非、試してください。

②     「もっとよくするためには何を」と考えること

問題と言うのは困った状態のことです。問題が出た時、人は初めてその手法に疑問を持ちますが困っていない状態だと、それは上手くいっていることだと錯覚し、改善にまで至りません。今一度、及第点をつけた業務を更に良くするためにどうしたらいいのかを考えることです。もっと効率的なやり方はないのか、もっと時間短縮できないか、もっと便利にならないか等々、高いレベルを求めて行くと人間の問題意識はどんどん研ぎ澄まされ、素晴らしい改善策が出てくるものです(カンパニータンク誌より抜粋)


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