問題解決能力の磨き方



仕事をする上で大なり小なり問題は発生します。今回は問題が発生した際、どのように対処していくか、問題解決のステップについてお届けします。
1.問題とは何かを定義する
まず最初に「問題とは何か」を定義します。問題とは一体どのような状態なのか。それは「求められている状態」-「実際の状態」=「問題」だと言われています。
「求められている状態」とはお客様が普通に満足する状態のことです。そして、問題とはそうした満足度が欠落する状態です。ですから何が問題であるかの「ホシ」を見出すことが必要であり、スピードが求められることは言うまでもありません。問題解決能力は、管理職に求められる資質の中でも極めて大事な要素となります。
2.問題が発生したことを告知する
次に大切なことは、問題が発生したことを告知することです。まずはすぐに社内関連部署に知らせます。社員が起こした問題であれば、直属の上司から縦ラインの上層部、そして関係する部署に速やかに報告する必要があります。また問題の大きさによっては全社員に共有させ、さらに社外=関係会社への告知も忘れてはいけません。秘匿することで社会問題にまで発展してしまうケースをよく耳にします。ですから、告知することで問題への意識と重大性を共有することが大事なのです。
3.応急対策を練る
次に、速やかに応急対策を練る必要があります。ただ、この段階では何が原因だったかという究明に時間をかけてはいけません。お客様に対して起こした問題であれば、いかに臨時の対応を施すか、まずは止血の方途を考えるのです。止血こそ、お客様の怒りを沈め、会社の信用失墜をくい止め、契約を続行させる重要な対策だということを忘れないでください。
私が独立する前の営業本部長時代に、肝を潰すような問題が起きました。納品した商品が間違って配送され、お客様は怒り心頭、翌日までに絶対に用意しろと言われたのです。お客様もその先の顧客に対して納期を死守しなければならないという状況でした。そこで私たちは緊急の部長会議を開き、ありとあらゆる人海戦術を駆使して徹夜態勢で商品を揃え、翌朝9時に代替品を無事に納品することができました。大事なことは止血です。流れている血を放って置いたら死に至ります。ビジネス上の死とは会社の信用失墜、取引停止のことです。そうならないために、人力・知力を総動員して事に当たらなければなりません。一刻の猶予もない、まさに時間との戦いです。一分一秒が勝負となり、対応が遅れれば遅れるほど傷口は大きくなります。
では、応急処置を考えるに当たって重要なことは何でしょうか?
4.問題解決施策に優先順位をつける
次に、問題解決のための施策を速やかに考え、挙げられるだけ挙げていきます。そうして出てきた解決案に優劣をつけ、優良な施策のみに優先順位をつけていきます。大事なのはお客様がどうしたら納得してくれるか、お客様視点で考えることです。
ここで、私が問題解決手法の研修の際にグループワーク問題として取り上げている航空機墜落の例をご紹介しましょう。
かつて、A航空会社の過失により航空機が墜落し、尊い何百名の命が一瞬にして散ってしまった事故が起こりました。遺族がどれほど深く悲しみ、傷を負ったかは当事者でなければ知りえないことですが、もし自分が遺族なら何をして欲しいかを考え、会社としての応急対策を練ってもらいます。すると、真っ先に賠償問題を考えるべきだとの声が多く挙がります。しかし、自分の親や兄弟、恋人が事故に遭い、生存の確率が極めて低いと知った時、まず航空会社に何を要求するか、それは賠償問題などではなく、すぐに墜落現場に行き、生存を確認したいということなのです。つまり、この問題における優先課題は、いかにより早く、事故に遭った人たちの親族を現場へお連れするかなのです。少々、引例が長くなりましたが、あえて生死に関わる極端な例を挙げさせて頂きました。時間との闘いの中で、お客様が納得のいく施策に優先順位をつけ実行することを忘れないでください。
5.問題解決のゴールを明確にする
応急対策が完了したら、次は、発生した問題のゴールを明確にします。どこまでやったら問題解決と言えるか、①当面のゴール、②中間のゴール、③最終のゴールを決定します。もちろん問題の性質によっても異なりますが、問題終焉の定義を持つことによって決着点を見出すことができます。
6.抜本対策を練る
問題が偶然起こることは稀で、ほとんどのケースが必然と言えます。起こるべくして起きた事故であり、日常の怠慢な慣習に原因が内在しているものです。ですから応急処置を施して「やれやれ解決した」などと安心していると、同質の問題がすぐに発生してしまいます。ですから、応急対策の後は問題が起きない体制をいかに作りあげるか、体制の抜本的見直しが必要となります。
かつてスピードの出し過ぎによる鉄道脱線事故があり、先頭車両にいた何十人もの乗客が命を失いました。その事故では、原因を究明すればするほど、今まで事故が起きなかったことが不思議なくらい、恐るべき運転手管理の実態が浮き彫りにされました。私もかつて管理職時代に相次いで問題を起こしました。その度に応急処置を施して対応していましたが、原因を探っていくと、発送センターのパート体制に問題があったのです。そこのセンター長は人件費削減を指摘され、パートを必要以上に減らしたため、体力的な無理がたたり、注意力が散漫になったことから誤発注が頻発したことが分かったのです。全て日常の管理体制の問題でした。つまり、「問題発生の原因は体制にあり」ということなのです。
では、抜本対策を練る際に大事なことを挙げます。
①業務ルーチンの棚卸し
②日常的に行っている業務の総ざらい
③構造上の仕組みの見直し
この3点を行ってください。体制や管理手法の見直しをして、一つひとつのステップを洗い出し、妥当な流れになっているかを微に入り細に入りチェックしていくことが重要です。
7.問題をマニュアル化する
応急対策を終え、抜本対策も練りました。しかし、これで終わりではありません。最後にやるべきことは、起こった問題に対する対処方法をマニュアル化することです。マニュアル化とは、全社への周知徹底を意味します。どんなに抜本対策を練っても実行されなければ意味を成しません。私が顧問をさせて頂いている会社でもよく問題が発生しますが、その時は必死になって問題解決にあたります。しかし、喉元過ぎれば熱さを忘れるという格言のごとく、いつしか忘れ去り、また元の状態に戻ってしまうものです。ですから、全社的に周知徹底させる意味でもマニュアル化し、事あるごとにチェックする管理機構を作る必要があります。
マニュアル化に際し、大切なことを3点記しておきます。
①問題の詳細を漏れなく記述する。この際、裁判の証言書のように正確に記述すること。
②業務のフローチャートを作成する。日常行われている業務の棚卸表を付加し、問題となったフローの改善事項を誰にでもわかるようにチェックする。
③改善事項を履行しているかの改善チェックシートをある一定期間毎に記入させる(カンパニータンク誌より抜粋)

仕事をする上で大なり小なり問題は発生します。今回は問題が発生した際、どのように対処していくか、問題解決のステップについて言及します。


1.問題とは何かを定義する。

まず最初に「問題とは何か」を定義します。問題とは一体どのような状態なのか。それは「求められている状態」-「実際の状態」=「問題」だと言われています。

「求められている状態」とはお客様が普通に満足する状態のことです。そして、問題とはそうした満足度が欠落する状態です。ですから何が問題であるかの「ホシ」を見出すことが必要であり、スピードが求められることは言うまでもありません。問題解決能力は、管理職に求められる資質の中でも極めて大事な要素となります。


2.問題が発生したことを告知する。

次に大切なことは、問題が発生したことを告知することです。まずはすぐに社内関連部署に知らせます。社員が起こした問題であれば、直属の上司から縦ラインの上層部、そして関係する部署に速やかに報告する必要があります。また問題の大きさによっては全社員に共有させ、さらに社外=関係会社への告知も忘れてはいけません。秘匿することで社会問題にまで発展してしまうケースをよく耳にします。ですから、告知することで問題への意識と重大性を共有することが大事なのです。


3.応急対策を練る。

次に、速やかに応急対策を練る必要があります。ただ、この段階では何が原因だったかという究明に時間をかけてはいけません。お客様に対して起こした問題であれば、いかに臨時の対応を施すか、まずは止血の方途を考えるのです。止血こそ、お客様の怒りを沈め、会社の信用失墜をくい止め、契約を続行させる重要な対策だということを忘れないでください。

私が独立する前の営業本部長時代に、肝を潰すような問題が起きました。納品した商品が間違って配送され、お客様は怒り心頭、翌日までに絶対に用意しろと言われたのです。お客様もその先の顧客に対して納期を死守しなければならないという状況でした。そこで私たちは緊急の部長会議を開き、ありとあらゆる人海戦術を駆使して徹夜態勢で商品を揃え、翌朝9時に代替品を無事に納品することができました。大事なことは止血です。流れている血を放って置いたら死に至ります。ビジネス上の死とは会社の信用失墜、取引停止のことです。そうならないために、人力・知力を総動員して事に当たらなければなりません。一刻の猶予もない、まさに時間との戦いです。一分一秒が勝負となり、対応が遅れれば遅れるほど傷口は大きくなります。

では、応急処置を考えるに当たって重要なことは何でしょうか?


4.問題解決施策に優先順位をつける。

次に、問題解決のための施策を速やかに考え、挙げられるだけ挙げていきます。そうして出てきた解決案に優劣をつけ、優良な施策のみに優先順位をつけていきます。大事なのはお客様がどうしたら納得してくれるか、お客様視点で考えることです。

ここで、私が問題解決手法の研修の際にグループワーク問題として取り上げている航空機墜落の例をご紹介しましょう。

かつて、A航空会社の過失により航空機が墜落し、尊い何百名の命が一瞬にして散ってしまった事故が起こりました。遺族がどれほど深く悲しみ、傷を負ったかは当事者でなければ知りえないことですが、もし自分が遺族なら何をして欲しいかを考え、会社としての応急対策を練ってもらいます。すると、真っ先に賠償問題を考えるべきだとの声が多く挙がります。しかし、自分の親や兄弟、恋人が事故に遭い、生存の確率が極めて低いと知った時、まず航空会社に何を要求するか、それは賠償問題などではなく、すぐに墜落現場に行き、生存を確認したいということなのです。つまり、この問題における優先課題は、いかにより早く、事故に遭った人たちの親族を現場へお連れするかなのです。少々、引例が長くなりましたが、あえて生死に関わる極端な例を挙げさせて頂きました。時間との闘いの中で、お客様が納得のいく施策に優先順位をつけ実行することを忘れないでください。


5.問題解決のゴールを明確にする。

応急対策が完了したら、次は、発生した問題のゴールを明確にします。どこまでやったら問題解決と言えるか、①当面のゴール、②中間のゴール、③最終のゴールを決定します。もちろん問題の性質によっても異なりますが、問題終焉の定義を持つことによって決着点を見出すことができます。


6.抜本対策を練る。

問題が偶然起こることは稀で、ほとんどのケースが必然と言えます。起こるべくして起きた事故であり、日常の怠慢な慣習に原因が内在しているものです。ですから応急処置を施して「やれやれ解決した」などと安心していると、同質の問題がすぐに発生してしまいます。ですから、応急対策の後は問題が起きない体制をいかに作りあげるか、体制の抜本的見直しが必要となります。

かつてスピードの出し過ぎによる鉄道脱線事故があり、先頭車両にいた何十人もの乗客が命を失いました。その事故では、原因を究明すればするほど、今まで事故が起きなかったことが不思議なくらい、恐るべき運転手管理の実態が浮き彫りにされました。私もかつて管理職時代に相次いで問題を起こしました。その度に応急処置を施して対応していましたが、原因を探っていくと、発送センターのパート体制に問題があったのです。そこのセンター長は人件費削減を指摘され、パートを必要以上に減らしたため、体力的な無理がたたり、注意力が散漫になったことから誤発注が頻発したことが分かったのです。全て日常の管理体制の問題でした。つまり、「問題発生の原因は体制にあり」ということなのです。

では、抜本対策を練る際に大事なことを挙げます。

①業務ルーチンの棚卸し

②日常的に行っている業務の総ざらい

③構造上の仕組みの見直し

この3点を行ってください。体制や管理手法の見直しをして、一つひとつのステップを洗い出し、妥当な流れになっているかを微に入り細に入りチェックしていくことが重要です。


7.問題をマニュアル化する。

応急対策を終え、抜本対策も練りました。しかし、これで終わりではありません。最後にやるべきことは、起こった問題に対する対処方法をマニュアル化することです。マニュアル化とは、全社への周知徹底を意味します。どんなに抜本対策を練っても実行されなければ意味を成しません。私が顧問をさせて頂いている会社でもよく問題が発生しますが、その時は必死になって問題解決にあたります。しかし、喉元過ぎれば熱さを忘れるという格言のごとく、いつしか忘れ去り、また元の状態に戻ってしまうものです。ですから、全社的に周知徹底させる意味でもマニュアル化し、事あるごとにチェックする管理機構を作る必要があります。

マニュアル化に際し、大切なことを3点記しておきます。

①問題の詳細を漏れなく記述する。この際、裁判の証言書のように正確に記述すること。

②業務のフローチャートを作成する日常行われている業務の棚卸表を付加し、問題となったフローの改善事項を誰にでもわかるようにチェックする。

③改善事項を履行しているかの改善チェックシートをある一定期間毎に記入させる(カンパニータンク誌より抜粋)



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