管理職 部下管理術 ~部下から尊敬される上司となるためには


上司は部下を管理するだけでなく、育成しなければなりません。部下を育成するためには、上司が部下から尊敬される存在になることが必須条件となります。上司は尊敬されていないと、部下にどんなことを言っても心には刺さりません。


◇部下を好きになること。
尊敬される上司になるための第1番目の資質、それは部下を好きになるということです。「冗談じゃない、出来の悪い部下を好きになれとは無理だ」と、思う方もいらっしゃると思います。上司であるあなたが部下に対して嫌悪感を持てば、それは必ず伝播することを銘記してください。
では、どうしたら部下を好きになることが出来るのか? 4つの観点から述べて参りましょう。


1.自分を基準にしないこと。
人を見る基準は得てして自分をベースにしていることが多いものです。「なぜ、そんなことが出来ないのか?」「なぜ、もっと努力出来ないのか?」という管理職の嘆きの声をよく聞きます。あなたは仕事が出来るからこそ管理職に選ばれたことを忘れてはいけません。少なくとも能力が他人より長けているから、管理職をやっているのですよ。しかし、自分が出来るからからといって、部下は出来るとは限りません。むしろ、出来ないことが当たり前という視点を持つべきです。
かつて中日の監督を努めた人に落合がいました。彼は現役時代、3冠王を獲った天才打者でした。ホームラン王や打点王の1冠だって獲るのは難しいのに、彼は三回も三冠王に輝きました。打撃について言えば、選手は天才打者である落合を真似ればいいわけですし、落合監督も手とり足取り、落合流のやり方を教えればいいはずですが、彼はそれをしませんでした。しなかったからこそ、中日はリーグ優勝を果たしたことを落合監督自身が語っております。彼の心の中には、自分が出来たからと言って、他人が出来るわけではないという人材育成の方程式がわかっていたのだと思います。つまり、人材を育てる術は、過去の栄光の自分を基準にしてはならないという育て方を知っていたのでしょう。
私は営業研修の際、受講者にロープレをやってもらうことがあります。正直言って、「どうしようもないな」と思ってしまう方もいますが、ぐっと堪えて寛容になろうと努めます。そして、ちょっと上達しただけで褒めるようにしています。もし、私が自分を基準にして研修したら、きっと受講者への怒りが爆発してしまうでしょうね。
ともかく管理職の方は、仕事が出来る自分を決して基準にせず、長い目で見守ることを今一度、肝に命じるべきです。


2.部下の長所を探すこと。
次は部下の長所を探すことです。「いやいや、短所は山ほどあっても長所なんか見当たらない」と言われそうですね。この点が部下に嫌悪感を持ってしまうあなたの最大の問題点だと知ってください。人間の傾向や性格というものは見方を変えると、必ず二面性があります。例えば、動作が遅いという短所は慎重という長所。大雑把という短所は物事にこだわらないという長所。細かいは几帳面。このようにどちらを視点にするかによって、良い面と悪い面に見えてしまうから不思議ですね。あなたに映る部下の短所を、一度逆から捉えてみてください。
そして、部下が他人よりちょっとだけ優れた点を探し、認めてあげることから始まります。このような視点を持ち続けて行くと必ず部下の長所が見えて来ます。今まで気がつかなかっただけで、部下が厳然と持ち合わせていた長所です。そして長所に気づけば、あなたは部下に対して愛着が湧き、敬う気持ちが芽生えます。それが好きになるポイントです。
異性と付き合う時を考えてみてください。好きという感情の背景には、例えば、彼女の長所を彼氏であるあなたが見出し、認めているからこそ、総合的に「好き」という結果になるわけですね。また、親友も同様です。長所を認める行為こそ、嫌悪感を消滅させる最大の要素です。


3.部下の内情を知ること。
若い世代であっても、今まで生きて来たその人なりのヒストリーが必ずあるものです。その人が生まれてから育った環境、両親、兄弟、学校、クラブ、友人、職歴、趣味、様々な人たちの影響を受けて今現在のその人の人格があるわけです。しかし、こうした内情は部下と深く話し込まないと本当の人間像は見えて来ません。単なる仕事だけの接点では、到底わかりえない世界なのです。
しかし、複数人との会話ではその部下の内情は知り得ませんから、まずは1対1の会話を心掛けてください。人材育成の秘訣はどこまで行っても部下との絶対的会話時間数だと私は断言します。あなたは優秀な部下とは差しで飲みに行ったり、日常的に対話の時間を作っているでしょうが、むしろ、出来の悪い部下こそ、強いて時間を作り出すべきです。そして、あなたはインタビュアーとなってヒアリングに徹してください。この時は仕事のことは話題に出さず、個人的な情報のみ聞くようにします。こうした背景を知ることによって、現在の仕事の問題点、部下の成長を妨げている一凶が見え、あなたと部下の関係は一挙に親密になります。恋愛や結婚のこと、将来への不安、金銭問題、親との確執、同僚との不仲等々、多岐に渡った個別問題にあなたは良き相談役になってください。管理職への内情の吐露は間違いなく部下を伸ばす要素になります。人間はすべてを知られてしまった人には応えようとする意識が働くからですね。


4.自分の思いを部下にわからせること。
部署には必ず目標があります。それが営業の部署であれば、毎月明確な売上・粗利数字がついて回りますね。売上達成のためには、行動計画を立て、進捗を確認し、顧客情報を詰める作業が繰り返されます。しかし、管理職はともすれば、上から目線で目標や行動計画をおしつけようとしがちです。そこが問題です。おしつけと理解させる行為は別物だと認識してください。若い部下もあっても、もういい大人であるわけですから、理解すればやります。理解とは「なぜ、○○万円の売上数字を上げなければならないのか」「目標を達成するとどうなるのか」「顧客への営業の手法は何が間違っているのか」という目的観です。目的を理解させたあとは、「私としてはここまでやってもらいたい。○○君には頑張ってもらいたいんだ」という期待をかけた論理の展開となります。
営業管理職が特に陥り易い点は、部署の目標が個人の目標になっているはずだと錯覚してしまうことです。厳しい言い方をすれば個々人の営業マンにとって部署目標はどうでもいいのです。「部長の出世のために俺はやらされている」と思われる危険を孕みます。ですから大事なことは「何のためにやるのか」ということを、部下に心から理解させてください。管理職の中には自分の栄誉栄達のために、部下を手段として使ってしまう人もいます。見ていないようでも部下は鋭い嗅覚を持っていますから、あなたは本音の心で接し、期待の言葉をかけてください。「○○君には成長してもらいたい」と訴えてください。部下の成長を思う一念から発するならば、部下は必ず気づき、頑張ってくれることでしょう(カンパニータンクより抜粋)


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