アプローチの極意



売上アップのためには、1つには営業力を如何に身につけるかがポイントとなります。
今回からは、私が企業で行っている営業研修の実際を通し、具体的な営業技法について述べてみます。営業は様々な業種・業態・営業形態がありますので、どの分野にも共通する内容に絞り、その中でも今回はアプローチ技法について記述していきます。
【アプローチ技法】
飛び込み営業以外で商談を行う際には必ずアポイントメントが必要となります。優秀な営業マンとそうでない営業マンの違いはアポ獲得率の差と言えますし、如何に多くのアポを取るかが成約件数に繋がることは言うまでもありません。以下、失敗しないアプローチについて大きく2点述べます。
1.第一突破の秘訣
一般にアポは電話で取るものです。商談先に電話を掛けると大方、電話受付の女性が出ます。この方たちは基本的には担当者への取次ぎをしてくれますが、会社によっては営業的な電話は拒否するようにとの指示が受付の女性に出されている場合もありますので、まずはここが第一関門です。突破するには、まずは商談したい人の名前をはっきりと告げることです。しかし、初めての場合は担当者がわかりません。その際はこちらの趣旨を簡潔に(詳しく話す必要はありません)述べた後、「このような商材のご担当者をお願いします」と伝えます。
《担当者が留守の場合》は「何時頃、お戻りでしょうか?」と聞きます。今日戻らない場合は「明日は何時頃でしたらいらっしゃいますか?」と、担当者が在社している時間帯や行動パターンを聞き出します。そして「では本日、夕方の5時過ぎに改めて掛け直します」と伝え、必ず担当者の名前と役職を聞き出すことを忘れないでください。新人の場合はこれが出来ず「では、またお掛けします」と言って切ってしまいます。これではいつまで経ってもアポを取ることは出来ません。
《担当者が出た場合》は簡潔に訪問趣旨を述べます。その際、詳しく説明する人がいますがこれはダメです。会う以前に担当者が結論を出してしまうからです。趣旨のみを話し、具体的な話は避けることが秘訣です。話が抽象的であればあるほどアポ率は高くなります。目的はアポを取ることですので、話の内容は茫漠としても構わないのです。そうして訪問趣旨が伝わったら最後にアポの日時を詰めます。この時、「では、いつ頃でしたらご都合宜しいでしょうか?」と聞く営業マンがいますがこれは致命傷となります。大半のアポ取りはこの質問で逃げられるケースが多いのです。先方は「今週は忙しいので無理です」と言ってきます。この「忙しい」というのがクセ者で、忙しいと言えば会わなくて済むという心理が働くからです。では、どう詰めたらよいのでしょうか?
《日時指定の問いかけをする》ことです。「明日の午前11時くらいはいかがでしょうか?」「いや明日は無理だ」「では、明後日の夕方5時くらいはどうでしょう」と1度でダメなら2度、3度と日時指定の問いかけを行うことです。こうすると、どんなに忙しい方でも空き時間に当たり、断れなくなってしまいます。更に訪問の理由付けとして「明日、明後日はそちら方面(区なり最寄駅名を挙げて)に行く予定がありますので」と添えると尚一層、アポ率は高まります。そして最後に電話を切る際、改めてこちらの会社名と名前を告げ、訪問の日時を復唱することを忘れないでください。また、訪問が翌週以降になる場合はこちらの電話番号(出来れば自分の携帯電話)を告げると先方は安心しますので心掛けてください。
次に電話での対応において大切なことを3点述べます。
1つは明るく爽やかな声を発することです。ややトーンを高めに、親しみを込めた話し方を心掛けてください。暗く低い声ではだめです。もう何度も会っているような気さくさが必要です。2つ目は相手の名前を連呼することです。初めてでも名前を呼ばれると人は親近感を湧かせるものです。それから3つ目は電話を切る際、一呼吸置いてから受話器を降ろしてください。相手より先に切るなど言語道断です。
2.初回訪問時の心得
アポが取れ、あなたは初めてその会社(個人)を訪問することになりました。時間には余裕をもって10分前には着くようにしましょう。伺う時間は約束の5分前が妥当です。
では商談の際に大切なことを2点述べます。
まず、《いきなり商談に入らない》ことです。名刺交換が終わるや否やすぐに商談に入る営業マンがいます。営業は相手との波長であり、リズムが大事です。まずは商品以外の話題に触れてください。話題例を3つ挙げます。
・その土地の様子
「この商店街は賑やかで活気がありますね」「閑静な住宅街でお仕事しやすそうですね」等
・その会社の内装・レイアウト・飾ってある物
「見晴らしの良いビルですね」「この額は見事ですね」等
・商談相手の名前・身体
「○○さんという苗字は珍しいですね、どちらの出身ですか?」
「○○さんは何かスポーツをやってらっしゃったのですか?」等
等々、気がついたことを驚きの様相で語りかけるのです。先方は必ず話に乗って来てくれます。それだけで話が盛り上がり、瞬時にしてフレンドリーな関係が作れることさえあります。
大切なことはあなたが「気持ちの良い人」になることです。先方にとって「商談のひと時がいい時間だった」と思わせることです。特に出会った最初の3分間が大事ですのでラポール=心と心の架け橋作りに心掛けてください。
次に《第一印象を良くする手法》について5点述べましょう。
a:「笑顔で接する」・・・・難しい顔をして話してはいけません。笑顔を見せられて嫌な気持ちになる人はいません。新人アイドルはテレビ映りを良くするために笑顔作りから練習します。鏡を見て自分の笑顔を研究してみてください。
b:「相手の目を見て話す」・・・・相手はプレゼンする人の表情が良く見えるものです。また、相手の目を見ることで商品への関心度がわかるようになります。
c:「必要以上にかしこまらない」・・・・どうしても初回訪問時や先方が上位役職者だったりするとかしこまって、やたらと敬語を頻発してしまうことがあります。もちろん、ある程度の節度は大切ですが、商談を成功させるポイントは如何に相手と仲良くなれるか、相手の懐に入り込めるかなのです。ゆえに、フレンドリーになるためにもかしこまることは禁物です。新人営業マンは特に気をつけてください。
d:「相手の言葉に大きくうなずく」・・・・商品説明をしていると様々な反応が返ってきます。その際は、「はい、そうですね」「なるほど」と相槌を打ち、声を出してうなずくことが大事です。否定的な言葉が返ってきても黙っていてはいけません。
e:「会話のキャッチボールを心がける」・・・・テレビでも、優秀な司会者(MC)を見ていると相手のしゃべった言葉に短い文節をはさみ、会話のキャッチボールをしています。やり取りをスムーズにするためには言葉を返すことです。そしてその流れの中で自らの主張を織り込み、商品説得の方向に持って行くのです(カンパニータンク誌より抜粋)

売上アップのためには、1つには営業力を如何に身につけるかがポイントとなります。

今回からは、私が企業で行っている営業研修の実際を通し、具体的な営業技法について述べてみます。営業は様々な業種・業態・営業形態がありますので、どの分野にも共通する内容に絞り、その中でも今回はアプローチ技法について記述していきます。


【アプローチの極意】

飛び込み営業以外で商談を行う際には必ずアポイントメントが必要となります。優秀な営業マンとそうでない営業マンの違いはアポ獲得率の差と言えますし、如何に多くのアポを取るかが成約件数に繋がることは言うまでもありません。以下、失敗しないアプローチについて大きく2点述べます。


1.受付、第一突破の秘訣

一般にアポは電話で取るものです。商談先に電話を掛けると大方、電話受付の女性が出ます。この方たちは基本的には担当者への取次ぎをしてくれますが、会社によっては営業的な電話は拒否するようにとの指示が受付の女性に出されている場合もありますので、まずはここが第一関門です。突破するには、まずは商談したい人の名前をはっきりと告げることです。しかし、初めての場合は担当者がわかりません。その際はこちらの趣旨を簡潔に(詳しく話す必要はありません)述べた後、「このような商材のご担当者をお願いします」と伝えます。

《担当者が留守の場合》は「何時頃、お戻りでしょうか?」と聞きます。今日戻らない場合は「明日は何時頃でしたらいらっしゃいますか?」と、担当者が在社している時間帯や行動パターンを聞き出します。そして「では本日、夕方の5時過ぎに改めて掛け直します」と伝え、必ず担当者の名前と役職を聞き出すことを忘れないでください。新人の場合はこれが出来ず「では、またお掛けします」と言って切ってしまいます。これではいつまで経ってもアポを取ることは出来ません。

《担当者が出た場合》は簡潔に訪問趣旨を述べます。その際、詳しく説明する人がいますがこれはダメです。会う以前に担当者が結論を出してしまうからです。趣旨のみを話し、具体的な話は避けることが秘訣です。話が抽象的であればあるほどアポ率は高くなります。目的はアポを取ることですので、話の内容は茫漠としても構わないのです。そうして訪問趣旨が伝わったら最後にアポの日時を詰めます。この時、「では、いつ頃でしたらご都合宜しいでしょうか?」と聞く営業マンがいますがこれは致命傷となります。大半のアポ取りはこの質問で逃げられるケースが多いのです。先方は「今週は忙しいので無理です」と言ってきます。この「忙しい」というのがクセ者で、忙しいと言えば会わなくて済むという心理が働くからです。では、どう詰めたらよいのでしょうか?

《日時指定の問いかけをする》ことです。「明日の午前11時くらいはいかがでしょうか?」「いや明日は無理だ」「では、明後日の夕方5時くらいはどうでしょう」と1度でダメなら2度、3度と日時指定の問いかけを行うことです。こうすると、どんなに忙しい方でも空き時間に当たり、断れなくなってしまいます。更に訪問の理由付けとして「明日、明後日はそちら方面(区なり最寄駅名を挙げて)に行く予定がありますので」と添えると尚一層、アポ率は高まります。そして最後に電話を切る際、改めてこちらの会社名と名前を告げ、訪問の日時を復唱することを忘れないでください。また、訪問が翌週以降になる場合はこちらの電話番号(出来れば自分の携帯電話)を告げると先方は安心しますので心掛けてください。

次に電話での対応において大切なことを3点述べます。

1つは明るく爽やかな声を発することです。ややトーンを高めに、親しみを込めた話し方を心掛けてください。暗く低い声ではだめです。もう何度も会っているような気さくさが必要です。2つ目は相手の名前を連呼することです。初めてでも名前を呼ばれると人は親近感を湧かせるものです。それから3つ目は電話を切る際、一呼吸置いてから受話器を降ろしてください。相手より先に切るなど言語道断です。


2.初回訪問時の心得

アポが取れ、あなたは初めてその会社(個人)を訪問することになりました。時間には余裕をもって10分前には着くようにしましょう。伺う時間は約束の5分前が妥当です。

では商談の際に大切なことを2点述べます。

まず、《いきなり商談に入らない》ことです。名刺交換が終わるや否やすぐに商談に入る営業マンがいます。営業は相手との波長であり、リズムが大事です。まずは商品以外の話題に触れてください。話題例を3つ挙げます。


・その土地の様子

「この商店街は賑やかで活気がありますね」「閑静な住宅街でお仕事しやすそうですね」等

・その会社の内装・レイアウト・飾ってある物

「見晴らしの良いビルですね」「この額は見事ですね」等

・商談相手の名前・身体

「○○さんという苗字は珍しいですね、どちらの出身ですか?」

「○○さんは何かスポーツをやってらっしゃったのですか?」等


等々、気がついたことを驚きの様相で語りかけるのです。先方は必ず話に乗って来てくれます。それだけで話が盛り上がり、瞬時にしてフレンドリーな関係が作れることさえあります。

大切なことはあなたが「気持ちの良い人」になることです。先方にとって「商談のひと時がいい時間だった」と思わせることです。特に出会った最初の3分間が大事ですのでラポール=心と心の架け橋作りに心掛けてください。

次に《第一印象を良くする手法》について5点述べましょう。

a:「笑顔で接する」・・・・難しい顔をして話してはいけません。笑顔を見せられて嫌な気持ちになる人はいません。新人アイドルはテレビ映りを良くするために笑顔作りから練習します。鏡を見て自分の笑顔を研究してみてください。

b:「相手の目を見て話す」・・・・相手はプレゼンする人の表情が良く見えるものです。また、相手の目を見ることで商品への関心度がわかるようになります。

c:「必要以上にかしこまらない」・・・・どうしても初回訪問時や先方が上位役職者だったりするとかしこまって、やたらと敬語を頻発してしまうことがあります。もちろん、ある程度の節度は大切ですが、商談を成功させるポイントは如何に相手と仲良くなれるか、相手の懐に入り込めるかなのです。ゆえに、フレンドリーになるためにもかしこまることは禁物です。新人営業マンは特に気をつけてください。

d:「相手の言葉に大きくうなずく」・・・・商品説明をしていると様々な反応が返ってきます。その際は、「はい、そうですね」「なるほど」と相槌を打ち、声を出してうなずくことが大事です。否定的な言葉が返ってきても黙っていてはいけません。

e:「会話のキャッチボールを心がける」・・・・テレビでも、優秀な司会者(MC)を見ていると相手のしゃべった言葉に短い文節をはさみ、会話のキャッチボールをしています。やり取りをスムーズにするためには言葉を返すことです。そしてその流れの中で自らの主張を織り込み、商品説得の方向に持って行くのです(カンパニータンク誌より抜粋)



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